北朝鮮、入国禁止解除を要求 関係筋 日朝会談へ条件
東京新聞 2019年5月8日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201905/CK2019050802000151.html

 【北京=城内康伸】安倍晋三首相が条件を付けずに日朝首脳会談の実現を目指す発言をしたことを巡り、北朝鮮関係筋は、日朝関係改善のためには「日本がまず、人的往来を認めるべきだ」と本紙の取材に明らかにした。日本政府が北朝鮮籍の人物の入国を原則禁止としている独自制裁の解除が、本格的な日朝交渉の条件との考えを示したとみられる。ただ、日本政府に正式に伝えられたかどうかは明らかでない。

 日本政府は二〇〇六年十月、北朝鮮による初の核実験を受け、独自制裁で北朝鮮籍の人物の入国を原則禁じた。一四年七月には、北朝鮮が日本人拉致問題の調査委員会を設置したことで解除に応じたが、一六年二月、北朝鮮の弾道ミサイル発射への制裁措置として、再び入国禁止とした。

 北朝鮮関係筋は「今すぐかどうかは別として、(日朝)政府間の正式な対話は重要だ。そのためには、人的往来を制裁に加えてはならない」と強調。「(来年には)東京オリンピックも控えている」と指摘し、入国禁止を早急に解除するべきだと訴えた。

 北朝鮮は入国禁止の解除を信頼構築の一環と位置付けているもようだ。

 拉致問題については「既に解決済みだと言うのではなく、朝日関係をしっかりと結んでいこうということだ」と述べ、本格交渉が始まれば、北朝鮮が議論に応じる可能性に含みを持たせた。

 一方、別の北朝鮮関係筋は、安倍氏が「金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と条件を付けずに向き合わなければならない」と述べたことに関し、「首相の真意はどこにあるのか。無条件とは言うが、拉致問題をどのように扱うつもりなのか」と疑問を投げかけた。北朝鮮の安倍政権に対する不信感は根強く、首脳会談の実現は依然見通せない。

<北朝鮮に対する日本の独自制裁> 拉致問題や核・ミサイル問題の解決を迫るため、日本政府が国連安全保障理事会の決議とは別に実施している制裁。「ヒト・モノ・カネ」を対象とした措置で、北朝鮮籍保有者の原則入国禁止のほか、北朝鮮を相手とする輸出入の全面禁止、関係船舶の入港禁止措置などがある。



関連
【拉致被害者家族】米ワシントンで北朝鮮への譲歩に反対「即時帰国が実現しない限り、非核化交渉で経済支援などを約束すべきでない」
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1556930498/
【北朝鮮拉致】「無条件」でも会談の道遠い? 直近の党機関紙・労働新聞は「日本の下心明らか」
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1557293483/
【北朝鮮】5月4日に発射した短距離弾道ミサイルはロシア技術によるイスカンデルミサイル 米軍でも迎撃は不可能 ★2
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1557273897/
【拉致問題】北朝鮮に譲歩、後退する安倍政権 「対話ではなく圧力」から180度転換
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1557240865/
【国際】北朝鮮、数百万人飢餓迫る 深刻な食料不足と国連機関 ★8
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1557116553/