文在寅(ムン・ジェイン)大統領が30日、退位する日本の明仁天皇(原文は日王)に書簡を送り、韓日関係に寄与したことに謝意を表明した。韓国外交部(省に相当)が明らかにした。
外交部はこの日の会見で、天皇を表す言葉として韓国で通常使われる「日王」ではなく「天皇」という呼称を用いた上、書簡でも文大統領が「天皇」と記したと説明した。
文大統領がコ仁皇太子の天皇即位を機に、歴史問題をはじめ国防・経済など全方面で悪化している韓日関係の改善を模索しているのではないかとの観測も出ている。

 韓国外交部のキム・インチョル報道官は同日の定例記者会見で、文大統領が書簡を送ったことを伝え「明仁天皇が在位期間中、平和の大切さを守ることの重要性を強調し、
韓日関係の発展に大きく寄与したことについて、謝意を表した」と説明した。また「退位後も両国関係の発展のために尽力することに期待を寄せた」と付け加えた。文大統領は、
徳仁皇太子の天皇即位に際し祝電も送る予定だという。李洛淵(イ・ナクヨン)首相もこの日、自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「韓日関係を重視されていた
明仁天皇様(原文ママ)に感謝申し上げる。韓日両国が新たな友好協力関係を構築するよう指導者たちが共に努力しよう」とつづった。

 明仁天皇が日本で国民的な尊敬を集めており、在位中に戦争犯罪への反省を数度にわたり表明したという点を考慮したとしても、文大統領が「天皇」という呼称を書簡の中で
用いたことは、外交的「儀典」にとどまらず、韓日関係改善を模索しようという意志を表したものと受け取れる。今年2月末のハノイでの米朝首脳会談決裂後、韓国と周辺4大国
(米・中・ロ・日)との外交関係悪化が懸念される上、中・日の急接近による「コリア・パッシング(韓国外し)」も指摘されており、こうした状況に対応するために対日外交の
修復に乗り出すのではないかとの見方も示されている。

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