(悩みのるつぼ) 相談者
 40代の女性です。8年ほど前に家を建てました。我が家の隣地は空いており、公園や木々の景観が見えます。その隣地は、空き地同然に売りに出されていたのですが、
不動産屋からは「あそこは崖地に近く、家は建たないだろう」と説明されたため、我が家では購入せず、他の方が畑にしていました。
 ところが、この畑の持ち主が土地を手放し、新たな持ち主が新築で家を建てることになり、2年後には完全に景観が失われることが決定的となりました。
 前の持ち主と私は親しかったので、先に買う機会と考える時間は十分にあったのに、迷って購入に踏み切れぬうちに売れてしまいました。それからは、
今まで癒やしてもらっていた景観を見るにつけ、気持ちが塞ぐようになりました。
 新たな持ち主は裕福で、土地を造成し、豪邸を建てるそうです。金にモノを言わせて景観を独り占めするような人がいることと、家が建つとわかっていたら間違いなく
最初に購入していたのにという後悔で、心が沈む日々です。仕方がないのは分かっていますし、引っ越してこられたら仲良くしなくちゃ、とも考えています。ただ、
景観を失うことが悲しくてしかたがありません。悲しみは結局、裕福な人へのねたみにつながり、後悔も含め、嫌な気持ちを抱えて過ごすのがつらいです。どう心を切り替えればよいでしょうか。

https://www.asahi.com/articles/ASM414QR2M41UCVL011.html