「夏休み」は貧困家庭の子どものメンタルに悪影響を及ぼす


夏休みなどの長期休暇は、普段学校に通っている子どもたちが放課後や週末の休みといった
短い期間では経験できない、特別な体験ができる貴重な時間です。しかし、貧困家庭の
子どもたちは夏休みにポジティブな経験が得られず、夏休み後のメンタルに悪影響を及ぼしていることが
明らかになりました。

富裕層と貧困層の経済格差は世帯主だけでなくその子どもの生活にも大きな影響を与えており、
子どもの間に広がる不平等は特に学校が長期休みの時期に拡大するとされています。
学校で提供される給食を長期休み中は食べられなくなるほか、裕福な子どもたちが
休みの間にあちこち遊びに行けるのに対し、貧困層の子どもたちはイベントに参加する費用を負担できません。

以前の研究でも、貧困家庭に生まれた子どもたちは裕福な家庭に生まれた子どもたちと比較して、
より不幸だと感じていることが判明しています。また、夏休みなどの長期休暇が影響を与えるのは
食事やイベントといったものだけにとどまらず、普段は学校で教育を受けられている貧困層の子どもが、
夏休みになって(PDFファイル)学習機会を奪われてしまうこともわかっています。

その一方で、これまでのところ夏休みに体験するイベントの違いが子どもの幸福度に与える悪影響については、
調査された研究がなかったとのこと。そこで、イギリスのウェールズに本部を置くカーディフ大学の
研究チームは、貧困家庭の子どもたちと裕福な子どもたちが夏休みに経験するイベントの違いにより、
9月になって学校が始まった際にどのような変化があるのかを調査しました。

アンケートでは空腹を感じたまま寝ることになったり孤独を感じたりした頻度や、友だちと過ごしたり外で
運動したりした頻度を尋ねました。これらの項目に加え、子どもたちの精神的な健康や幸福度を
調査するための質問も行い、夏休みの経験が子どもたちのメンタルに与える影響について
研究チームは分析しました。

アンケートの結果、やはり貧困家庭の子どもたちは夏休みの間に空腹や孤独を感じる頻度が高く、
友だちと過ごしたり外で運動したりする頻度https://gigazine.net/news/20190412-poorer-childrens-holiday-experiences-worse/