【地球コラム】外国人労働者増加で浮上するイスラムの「食」問題
https://www.jiji.com/sp/article?k=2019031400886&;g=int
◇コーランの教え

 コーラン5章3節には次のような記述がある。
 「あなたがたに禁じられたものは、死肉、(流れる)血、豚肉、アラー以外の名を唱え(殺され)たもの、絞め殺されたもの、打ち殺されたもの、墜死したもの、
角で突き殺されたもの、野獣が食い残したもの、(ただしこの種のものでも)あなたがたがそのとどめを刺したものは別である」
 食べられる肉は、基本的にアラーの名を唱えながら屠られたものである。日本ハラール協会は次のように解説している。
 「食肉に関しては血抜きをするため、バクテリアの繁殖を防ぎ、鮮度を保ち、清潔に肉を食する事ができます」

 食に限らず、イスラムには多くの戒律がある。
イスラム法は人間の行為を5類型(1)ワージブ(義務行為)(2)マンドゥーブ(推奨行為)(3)ムバーハ(合法行為)(4)マクフーフ(忌避行為)(5)ハラーム(禁止行為)に分類している。
コーランなどを典拠にイスラム法学者が分類するのだ。

◇過疎化対策で外国人に期待

 万瀬の集落では、よもぎ餅や五平餅、まんじゅうなどを町での仕事を終えて帰宅した住民らで作り、出荷していた。
ところが、住民の減少や高齢化で、仕事を終えて夜に作ったりしたが、土日も休めなくなったりして行き詰ってしまった。
集落では、立派な食品加工の設備を整えた施設も使われず、頭を悩ませていたという。
集落側とインドネシア人家族の利害が一致して月1万5000円の破格な賃料で貸し出すことが決まり、
3月にも山奥の寒村の施設でハラール食品の製造を始め、冷凍して全国にインターネットを通じて販売する計画だ。

 このインドネシア人家族7人が近くに移住することになり、外国人の力を借りた地域の活性化策のアイデアも浮上している。
万瀬近くの春野町にある約9000坪に及ぶ遊休施設にイスラム教徒が礼拝するモスクやイスラム学校、技能実習生の住まいを設け、
コミュニティーをつくるとともに、インバウンドの場としても活用しようという構想が持ち上がっている。