“アムロの帰還”&“シャアとセイラの別離”をジオラマ再現、「二人の生き様を象徴する対となるシーン」

アニメ『機動戦士ガンダム』を語るうえで欠かせないのが、魅力あるキャラクターたちの“生き様”だ。
とりわけ、ファーストガンダムの主人公であるアムロ・レイと、そのライバルであるシャア・アズナブルは圧倒的な人気を誇っている。
今回のジオラマは、ガンダムシリーズ屈指の名シーンと名高いファーストガンダムのラストを完全再現。
仲間の元へと帰還するアムロ、愛する妹・セイラに対して今生の別れを告げるシャア。この二つのシーンを作成したモデラー・まつおーじ氏の想いとは?

■安彦絵をヒントに、一人ひとりの表情まで緻密に再現

 情景描写についてのこだわりについてモデラー・まつおーじ氏は、
「レイアウト時の自分の気持ちいい、心地いいポイントを重視しています」と説明。
特に、 構図の“空気感”やキャラの“目線”といった「間」へのこだわりを強調した。

 実際、ファーストガンダムのラストシーンを再現した作品『my sweetest』からは、戦場から帰還するアムロと、
それを迎えるホワイトベースのクルーたちの安堵、驚き、喜びといった生々しい“感情”と“空気感”が伝わってくる。

「作品のタイトルは劇場版『ガンダムIII』の挿入歌「めぐりあい」の歌詞の一節からつけました。
自分の最も愛しい人、帰りたい帰るべき場所という意味合いです」。
そう語るまつおーじ氏はファーストガンダム直撃世代。そのため、劇場版『ガンダム』への愛情とこだわりも一入だという。

「各キャラの顔と目線、自然なポーズにはこだわりました。今でこそ1/35のアニメキャラクターフィギュアがあり、
顔が分かるのは当たり前になってきていますが、製作当時はキャラの分かるフィギュアが少なかったので、しっかりとキャラを再現したかったんです」

 一方、アニメキャラを再現することの難しさについても説明してくれた。
「最初はキャラの顔がなかなか似なくて苦労しました」とコメント。
その解決策として、漫画版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(角川書店)を参考にすることで上手くいったのだという。

「漫画はデフォルメされて描かれていますが、少ない情報ながらキャラの違いはハッキリと分かりますよね。そこで、漫画の目の形や離れ具合などを参考にしました。
ランチもフィギュアもほとんどが自作なので苦労の連続でしたが、自然なポーズに仕上げるために、自分でポーズを取ってみたりもしました(笑)」

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https://mainichi.jp/articles/20190315/orc/00m/200/020000c