闘鶏(タウチー)で傷ついたとみられる鶏を保護している本田京子さん(42)の自宅周辺で、けがをした鶏が捨てられる事案が後を絶たない。

昨年8月の本紙報道後、一時捨てられる鶏の数が減ったものの、年末から再び増加している。
これまでに110羽以上が捨てられた。県警は動物愛護管理法違反の可能性があるとして捜査を進めているが、犯人逮捕に至らない。
県自然保護課も「けがをした鶏を放置するのは虐待だ」と指摘する一方、「誰がやっているのか特定できず直接の改善指導はできない」とする。保護の負担は全て本田さんに集中している。

今年2月13日には本田さんの自宅近くで、頭蓋骨が露出し頭部が糸で縫われた鶏が見つかった。
体が前のめりになりバランスを保てない状態で、その後治療したながみねどうぶつクリニックの長嶺隆獣医師によると、脳への感染もしくは脳に相当の衝撃を受けていたとみられる。鶏は同16日に死んだ。

2月15日には首がない鶏の死骸と1羽の鶏が、同26日には計11羽の鶏が自宅の周辺で発見された。

捨てられる鶏について長嶺獣医師は「ダニやシラミが寄生し、飼育管理が悪いために足に細菌が入る感染症になっている鶏も多い。眼球が深くえぐられ失明した鶏も多数いる」と話す。

本田さんは2017年夏ごろ、けがをした鶏を発見し保護した。
自宅周辺に鶏が捨てられ始めてから1年以上になる。国内外の支援者からケージなどの寄付が多数寄せられ、鶏を譲り受ける人もいる。

それでも現在、本田さんが保護している鶏は65羽。
餌やりや通院、けがへの対処に追われている。
手伝いに来るボランティアもいるが「現状維持にしかならず根本的な解決にはならない」と話す。

本田さんは状況の改善を求める陳情書を県議会に提出しており、「より多くの県民に考えてほしい」と強く訴えている。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-888980.html
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