那覇市民はなぜアイスクリームをあまり食べないのか
http://news.livedoor.com/article/detail/16068279/
データをつぶさに眺めていると、不思議に見えることがままある。消費に偏りがありそうにも
ない食品で偏りが出ていたり、また思ったほどその地域には好まれていなかったり…。
食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

この2月、総務省の家計調査2018年版が発表された。直後、とあるテレビの情報番組から
取材依頼があった。

まず番組から聞かれたのは「那覇市民はアイスを食べない。いったいなぜ?」というもの。
総務省の家計調査は全国の都道府県庁所在市及び政令指定都市を対象としているが、
確かに那覇市は「アイスクリーム・シャーベット」に対する品目別支出金額(総世帯)は
全国でもっとも少ない。全国平均が7771円に対して那覇市は4636円。

一説には「気温が30℃を超えるとアイスクリームは売れず、氷菓が売れる」という話もあるが、
元の調査には「シャーベット」も含まれているし、いくら沖縄とは言え1年中30℃超えを記録
しているわけではない。30℃超えは真夏の3か月程度。

そもそもアイスクリームから氷菓に流れるなら、そこまで支出が減るとも考えにくい。
どちらかというと乳脂肪分の多い製品が全般に人気薄なのは確かなようで、バターは全国
平均835円に対して那覇市436円とこちらも最下位。「他の乳製品」という項目も、全国平均
399円に対して181円と少ない。

乳酸飲料や牛乳など脂肪分の高い飲み物は、春から夏にかけて売り上げが伸びる一方で、
盛夏は売り上げが伸び悩むとも言われる。乳脂肪分が多めの製品は、那覇市では忌避
されがちと言っても差し支えないだろう。