https://ryukyushimpo.jp/column/entry-865440.html
中世ヨーロッパでは残酷な拷問は当たり前だった。現在も残る当時の拷問具や拷問の絵を見ているだけで、何だか体が痛くなる錯覚に陥る▼
この人は今まさに拷問を受けている気分だろうか。会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されている日産自動車前会長の
カルロス・ゴーン被告だ。昨年11月の金融商品取引法違反容疑での逮捕以来、保釈請求は却下され勾留が続く

▼長期勾留に対して妻キャロルさんは、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)に
日本の司法制度改革を訴えるよう要請した。HRW日本代表は問題点を調査できないか検討を始めた

▼沖縄の新基地建設への抗議行動を巡り、威力業務妨害などの容疑で約5カ月間勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長について、
国連の恣意的拘禁に関する作業部会は「人権侵害に当たる」との見解を発表した。日本の司法制度が世界の視線にさらされている

▼取り調べで弁護士立ち会いがないことや長期の身体拘束が問題点に挙げられてきた。
後進的な司法制度には自国民の身柄を任せられないとの米側の懸念は、日米地位協定改定への障害の一つとの指摘もある

▼自白偏重で「中世の名残」ともやゆされる日本の刑事司法制度の問題こそが「国益」を害していないか。
旧態依然の人権感覚を「お国柄だから…」で済ませるわけにはいかない。