ブラジルのトランプと呼ばれるボルソナロ大統領は犯罪が増え続ける中、治安を改善するためだとして銃規制を大幅に緩和する大統領令に署名しました。
国民の間からは銃の所持が広がることで逆に治安が悪化すると懸念する声も出ています。

ブラジルのボルソナロ大統領は15日、人口10万人当たりの殺人事件による死者の数が10人を超える都市に住む犯罪歴のない25歳以上の住民は、警察の審査なしに、ほぼ無条件で銃を購入できるとする銃規制を大幅に緩和する大統領令に署名しました。

ブラジルでは犯罪が増加していますが、ボルソナロ大統領は市民が銃を所有しやすくなれば、犯罪に巻き込まれても反撃でき、治安も改善できるなどと主張しています。

去年1年間の殺人事件による死者数が7万人以上にのぼるとされるブラジルでは、多くの都市が規制緩和の条件にあてはまり、地元メディアによりますと、25歳以上の80%がほぼ無条件に銃を購入できるようになるとしています。

治安の悪化によって護身用に銃の購入を希望する人はすでに増えていて、比較的銃の取得が容易だった、軍関係者の銃の申請件数は、過去5年で10倍に増加しています。

このため、今回の法改正で銃の所有が加速するとの見通しが出る一方で、国民の間からは、銃の所持が広がることで逆に治安が悪化すると懸念する声も出ています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190116/k10011779311000.html
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