https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00010000-nishinpc-soci

男性はドライバー歴8年。

昨年3月ごろ、明け方に同市中心部の歓楽街、中洲のラーメン店前から1人の女性を乗せた。女性は30歳前後で、おかっぱ頭。
色白で、身長は165センチくらいだった。

福岡市タクシー協会、注意文書を配布

 同市東区のマンションに着くと、女性は「お金がないので取ってくる」と言って車を離れた。10分、20分と待つが、一向に戻ってこない。
タクシー代は約2400円。メーターが回った売り上げは会社に納めねばならない。男性は報告せず、自腹を切ったという。

 被害者は男性だけではなかったようだ。

 福岡市タクシー協会は昨年9月、「乗り逃げ事案の発生・手配について」という文書を加盟各社に配った。
乗り逃げした人物とみられる実名を挙げ、乗務員の主観として「『ブルゾンちえみ』を崩した感じの女性」とある。

 文書によると、女性は9月4日朝、中洲から同市東区のマンションまで乗車。
「お金がないので家から持ってきます」と住民基本台帳カードを運転手に見せ、住所や氏名などを告げた上で降車した。
その後姿を見せず、運転手が部屋に行ったものの連絡が取れなかった。
警察に相談すると「女性が実際の住所などを告げており、直ちに詐欺事件として扱うのは難しい」と言われた、という。

 記者は文書にも掲載されている住所を訪ねた。まだ真新しい9階建て。
オートロックの外から女性の部屋のインターホンを何度も押したが、反応はなかった。

 運転手が警察に届けた場合、事情聴取のため数時間動けなくなる。その時間の売り上げも得られない。
「運転手の間では、数千円なら乗り逃げされても会社や警察に伝えず、泣く泣く自腹を切るケースが少なくない」と男性は明かした。