【パリAFP=時事】日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件をめぐり、
仏週刊紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)」(電子版)は5日、息子のアンソニーさんの
独占インタビューを掲載した。この中でアンソニーさんは、ゴーン容疑者は供述調書に署名して
勾留を解かれるより、法廷で「果敢に」反論することを選んだと語った。

 昨年11月19日、自動車業界の大物であるゴーン容疑者が金融商品取引法違反容疑で逮捕された
事件は、世界に衝撃を与えた。さらに同容疑者は12月10日に特別背任容疑で再逮捕され、
同容疑者の東京拘置所における勾留期間は11月の逮捕以来、7週間に及ぶ。

 これに対しゴーン容疑者側は今月4日、勾留理由の開示手続きを申請。8日に東京地裁で行われる
勾留理由開示にはゴーン容疑者自身も出廷する見通しだが、アンソニーさんはJDD紙との
インタビューで、その時に初めてゴーン容疑者側から事件の全容が明らかにされるだろうと語った。

 アンソニーさんは、父親のゴーン容疑者には容疑を否認し続けるか、自白して供述調書に署名し
釈放されるか、二つの選択肢があったとした上で、「7週間を通して、彼がとった決断は明らかだ」
と語った。また、ゴーン容疑者が署名を求められた供述書調書が同容疑者には理解できない
日本語のみで書かれていたことに疑問を呈した。

 アンソニーさんはゴーン容疑者とまだ直接話せていないが、「父は法廷で果敢に反論する
準備ができている」と述べ、「彼は非常に冷静だ」と付け加えた。さらに、「父は(勾留理由開示の場で)
初めて、自身にかけられた全ての容疑について説明できる。彼が語る事件の全容を聞けば、
誰もが驚くことになるだろう」と述べた。

 アンソニーさんによると、勾留理由開示にゴーン容疑者は「囚人服」姿に手錠をかけられた状態で
出廷し、意見陳述を10分間行う予定。東京拘置所での食事は1日3回の米飯で、勾留開始以来、
同容疑者は体重が10キロ減ったという。同容疑者は拘置所で読書をして時間を過ごしており、
アンソニーさんは「父はこうした全ての状況を挑戦と受け止めている」と語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=20190107038088a&;g=afp