タイの王室は、2016年に即位したワチラロンコン国王の戴冠式をことし5月に執り行うと発表しました。
5年前のクーデター以降、軍主導の暫定政権が続くタイでは、来月、民政復帰に向けた総選挙が予定されていて、国王の戴冠式を経て、新たな時代へ移行することになります。

タイの王室は1日、国営テレビなどを通じて、ワチラロンコン国王の戴冠式をことし5月4日から6日までの3日間にわたって執り行うと発表しました。

タイでは、2016年10月に前のプミポン国王が死去したあと、長男のワチラロンコン国王が即位し、王室の儀式や法案への署名など国家元首としての務めを果たしています。

ただ、即位を国内外に正式に知らせる戴冠式が行われていなかったため、タイ王室内の序列や肩書はプミポン前国王時代の体制のままとなっていました。

戴冠式では、首都バンコクにある王宮などで、伝統的な様式に基づいた式典やパレードが行われる予定です。

その後、ワチラロンコン国王の下での王室内の序列も明らかにされるものとみられます。

タイでは、2014年のクーデター以降、軍主導の暫定政権が続いていますが、戴冠式が即位から2年余りたってから行われることについて、
タイ政治の専門家は「軍主導の暫定政権の下での実施を避けたのではないか」との見方を示しています。

軍主導の暫定政権は来月、民政復帰に向けた総選挙を行う考えを示していて、国王の戴冠式を経て、タイは新たな時代へ移行することになります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190101/k10011765281000.html
ワチラロンコン国王
https://i.imgur.com/bIVRyVm.png