「死ね」「キモい」靴の中にバナナ…「どん底」救った奇跡の出会い 「リスカ」続けた私が立ち直れた理由
12/28(金) 7:00配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181225-00000008-withnews-soci

いじめられた過去がある加藤郁美さん(右)。作業所で施設長の中澤聖子さんと出会い、前を向いて生きられるようになりました
【#withyou 〜きみとともに〜】
 学校ではいじめられ、リストカットを繰り返す日々――。誰にも理解してもらえない孤独に、「マイナスなことばかり考えてしまう……」。そんな青春時代を送った女性が、大人になって出会った作業所の施設長さんに支えられ、前を向いて生きられるようになりました。
施設長さんの存在は「居場所」そのもの。いま女性は、ある夢を持っています。(withnews編集部・河原夏季、野口みな子)

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繰り返したリストカット

 女性は、東京都に住む加藤郁美さん(24)。10代のころに統合失調症と診断されました。軽度の知的障害もあり、いまは都内の作業所に通っています。

 「なぜいじめのターゲットにされたのか、まったくわかりません」

 加藤さんは小学5年生の時から、女子から仲間はずれにされ、悪口を言われるなどのをいじめを受けていました。先生も自分の味方ではないように感じ、親にも迷惑をかけたくないと、誰にも相談できなかったといいます。1日が過ぎるのが、とても長く感じました。

 中学時代に入っても、男子から聞こえるように「死ね」「キモい」と悪口を言われました。外履きの靴の中に給食に出たバナナを入れられたり、チョークを投げつけられたりすることもあったといいます。先生の指導で、男子が謝ってくれたこともありましたが、またすぐに悪口を言われ始めました。

 その一件で、「気付いてもらえても意味がないと思った」という加藤さん。先生に「何かあったの?」と聞かれることもありましたが、うまく答えられませんでした。自分の気持ちを伝えるための、言葉を見つけられなくなっていました。

 中学から逃げたくて仕方なかったけれど、親に察されないよう登校を続けたといいます。逃げ場がないまま、自分に向けられた悪意に追い詰められていきました。

 中学2年生のとき、加藤さんは不登校だったクラスの友人から「これやったらすっきりするよ」と、リストカットをすすめられました。自分を傷つけ始めると不思議と気持ちが楽になったといいます。「ストレス解消法というか、いじめを受けている現実から逃げるためにやっていたのだと思います」