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「2025年問題」から逃げる政治家:『社会保障クライシス』 池田信夫

2025年には2200万人が後期高齢者になり、医療費の負担が激増する。
1人あたりの医療費は平均30万円だが、75歳になると75万円になるので、医療費は1.5倍になって54兆円に増え、介護も20兆円と倍増する。
そのうえ低所得の後期高齢者は1割負担になるので、医療費の公的負担が激増する。

総額118兆円の社会保障給付は、2025年には149兆円に膨張する。年金給付は60兆円になって限界なので、支給開始年齢を上げるなどの対応は避けられないが、医療サービスの削減は容易ではない。
世界でもまれなフリーアクセス(誰でも大病院で受診できる)や、国民皆保険などの制度を見直すしかない。

名目GDPが年平均1%以上増えるとしても、2025年には国民負担率は52%程度になり、さらに財政赤字が10%程度あるので60%を超える。

これは「高福祉・高負担」のスウェーデンを上回るが、日本の(見かけ上の)税負担は26%と低い。その差額を社会保険料で現役世代が負担し、それでも足りない穴を国債で埋めているからだ。