米アリゾナ州チャンドラーで、住民が自動運転車を襲撃する事件が相次いでいる。米グーグルの親会社アルファベットの
傘下にある自動運転車会社「ウェイモ」の公道試験に腹を立てた住民が、タイヤを切り付けたり、銃を構えたりする事件まで発生した。

チャンドラー警察によれば自動運転車を標的にした襲撃事件は過去2年で少なくとも21件あったが、テストドライバーが訴えなかったため
カウントされていない事件はもっと多いはずだいう。
ウェイモは12月5日、同州フェニックスで配車サービス「ウェイモ・ワン」を初めて商用化した。

だが自動運転「革命」は、同州テンペで今年3月に米ウーバーの自動運転車が歩行者の女性をはねて死亡させたことで、大きく後退を迫られた。
襲撃事件の一部は、こうした安全性への懸念が原因とみられている。またウェイモの親会社、アルファベットという企業に対する不満が
引き金とみられる事件もあると、アリゾナ・リパブリック紙は報じた。
泥酔状態でウェイモ車の前に立ちはだかった男は、「ウェイモの車が近所を走り回るのには我慢がならなかった」と供述したと、警察の調書にはある。
アリゾナ州立大学のフィル・サイモン教授(情報システム)はアリゾナ・リパブリック紙に対し、多くの住民がウェイモのことを、自分たちの生活を
広範に脅かす脅威として捉えていると語った。「自動運転技術の発展にせいで、仕事が奪われると心配する住民もいる」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/12/post-11430.php