前橋スナック銃乱射事件などで死刑確定後、2件の殺人への関与を告白し、殺人罪に問われた元暴力団会長矢野治被告(69)の裁判員裁判の判決が13日、東京地裁であった。
楡井英夫裁判長は「(告白の)手紙は信用できない」と述べ、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。
検察側は論告で、矢野被告は死刑確定後の2014〜15年、会社社長斎藤衛さん=東京都新宿区、当時(49)=と、不動産業津川静夫さん=神奈川県伊勢原市、
同(60)=の殺害に関わったとする手紙を警視庁に提出したと指摘。斎藤さんについては金銭トラブルが発端で、被告自身が絞殺したとした。津川さんは、
土地を手に入れるため暴力団の男(故人)に殺害させたと主張していた。
弁護側は「手紙は銃乱射事件の再捜査をしてもらうための虚偽だった」とした上で、「証拠不十分」と無罪を訴えた。
矢野被告は被告人質問で、斎藤さんの事件を「殺してないし、誰が殺したかも分からない」と説明。津川さんの事件は「事故で亡くなったと聞いた。
名前すら知らず、殺していないし、殺させてもいない」としていた。
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