中国人技能実習生が逃亡し不法就労者「黒工」になるまで

「ネットの黒工コミュニティに求人投稿を出したのは事実です。ここは田舎で、働いてくれる中国人がいない。コックでもホールスタッフでも人手が欲しかった」

千葉県東部、九十九里浜の近くに建つ格安中華料理店で、40代の中国人女性店長はそう話した。周囲には田園地帯が広がり、
店の外に出ると堆肥の臭いがプンと鼻を突く。

近年、地方の国道沿いなどに、原色のどぎつい看板を出す中国人経営の格安中華料理店が増加している(台湾料理を名乗る例も多い)。
遼寧省出身の彼女の店も同様で、倒産した定食屋に居抜きで入居。一家が住み込みで経営していた。

私が店を知った契機は中国のチャットアプリ『QQ』だ。店長はなんと、不法滞在者が集まる複数の在日中国人コミュニティに、堂々と店名を出して
求人を投稿していたのである。

現在、「黒工」となった張は東京近郊の工事現場や解体現場、食品工場などで1週間〜数か月程度の短期労働を繰り返し、
技能実習生時代の倍となる月収20万〜30万円を稼いでいる。仕事は『QQ』のコミュニティに投稿された求人に応募すればすぐに見つかるという。

「中国国内でも、上海で宅配便の仕事をやれば月収1万元(約16万円)以上は稼げる。日本は物価も高く、黒工になるのは決して得じゃない。
俺たちは技能実習先を逃げ出したから、仕方なくやっている」(張)

https://www.news-postseven.com/archives/20181116_794500.html