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 ブラックバスやブルーギルをはじめとする琵琶湖の外来魚の駆除量が極度に減っている。7月末時点で前年同期比の4割程度だ。湖の生態系を乱す害魚が少なくなったのか。原因を確かめるため、滋賀県は11月から大規模な生息調査を始めた。

 「おらんな、ほんまおらん」

 午前0時半。琵琶湖に浮かぶ沖島(滋賀県近江八幡市)の漁港から、漁師の中村幸弘さん(64)の漁船が出航した。目的は外来魚の駆除。暗闇にぽつんと船の照明だけが浮かぶ。

 沖合約500メートルで底引き網を投げ入れた。ロープを巻くと、網の中はスジエビがぎっしり。
ブルーギルやブラックバス(オオクチバスとコクチバスの総称)は重さ3キロ程度だ。午前4時ごろまでに捕れた外来魚は約20キロ。10年前の多い時と比べると10分の1という。

 スジエビは湖に放し、外来魚はケースに入れて島の漁協に持って行く。滋賀県は県漁業協同組合連合会(県漁連)と提携し、外来魚を1キロ330円で買い取っている。買い取られた魚は農作物用の肥料になる。

 中村さんは夏場から雪が降るまでの間、週6日駆除のために湖に出ている。10年ほど前までは月60万円を稼ぐこともあったが、今年は十数万円の月もあるという。「おらんな、ほんまおらん。今年は特に少ない。どこにいったんやろうか」

 県によると、7月末時点のブルーギルとオオクチバスの駆除量は計34トン。前年同期比で55%少ない。

 駆除量の減少は外来魚の8割を占めるブルーギルの影響が大きいと県はみる。ブルーギルは寒くなると動きが落ち、これから駆除量が増えるとは考えにくい。

 県は今年度約4千万円を計上し、駆除量の目標を250トンにしていたが、9月に今年度の目標値を85トンに下方修正した。

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