21日の現地警察発表によると、死亡したのは27歳のジョン・チャウ(John Chau)さん。
チャウさんは地元漁民に金銭を払って船に同乗。
外界との接触を完全に断った先住民たちが暮らす北センチネル島へ近づき、さらに1人でカヌーを使って進んだ。
だが当局筋がAFPに語ったところによると、チャウさんが島に上陸した途端、その身に矢が降り注いだ。
インド洋に浮かぶ同諸島に住む複数の先住民族に接触することは、独自の生活様式の保護、および疫病対策の観点から禁止されている。
ただ規制区域の一部では立ち入りが認められており、チャウさんも同諸島への入境許可を含む観光ビザを持ち、最近数回、同諸島を訪れていた。
それでも、北センチネル島から半径5キロ以内への立ち入りは違法とされている。
当局筋によると、チャウさんは11月14日に島への到達を試みたが成功せず、その2日後に準備を十分に整え、途中で小舟を降りて、1人でカヌーに乗って島へ出発。
「チャウさんは矢で襲われた後も歩き続けた。また漁師たちは先住民らがチャウさんの首に縄を巻き付け、体を引きずっていくのを目撃した」という。
怖くなった漁師たちはその場から逃げ出したが、翌朝戻って海岸でチャウさんの遺体を発見した。
同諸島にはいくつかの先住民族が住んでいる。
例えば人口約400人のジャラワ族は、活動家らによると外界からの訪問者に怯え、現地当局に賄賂を渡して保護を依頼することもある。
しかし、センチネル族のように外界とのあらゆる接触を遮断し、侵入者に敵対的な集団も知られている。
150人が住む北センチネル島は、インド海軍さえも立ち入り禁止となっている。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3198663

※センチネル族
人口は250人ほどとされる。
今もなお石器時代の生活を維持する世界で唯一の民族と言われ、外部との接触を拒否する生活を続けており、インド政府も干渉をしない意向を示している。
センチネル語を話すが、島の外部でセンチネル語を解する者はおらず、インド政府ですらセンチネル族と会話でコミュニケーションを取ることは不可能である 。
地理的にはジャラワ族やオンゲ族と同系統とも推定されているが、データが存在しないので何も言えない状態である。
部外者を矢を用いて無差別に攻撃するため、調査目的であってもセンチネル族に接触することは危険である。