(社説)イッテQ疑惑 放送への信頼傷つけた


人気のバラエティー番組にいったい何があったのか。すみやかに真相を明らかにして、社会に報告する責任がある。

きっかけは週刊文春の記事だ。芸人が世界の祭りを訪ねる番組中の企画について、5月に放映されたラオスの祭りは
存在せず、日テレ側の自作自演によるイベントだと報じた。

 当初日テレは「番組サイドで企画した事実はない」と反論していたが、タイの祭りでも同様の疑いがあると指摘されると、
一転して非を認めた。
企画は当面休止し、放送済みの111本の内容を可能な限り検証するという。当然の対応だ。

 高視聴率が生んだおごりか、あるいは数字を維持するために逸脱行為に及んだのか。

だが、「ない」ものを作り出して「ある」とする行為は、公共をになう放送番組として許されない。
まして「イッテQ!」は「“真実”との出会い」をうたい、ロケの失敗も隠さずにリアルさをアピールしてきた。
日テレ自身のコメントにあるように「猛省」が必要だ。

フェイクニュースが横行する時代。何より大切にすべきは、この「信頼」ではないか。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13772355.html