ヒトの大便からも微小プラスチック 日ロ欧州8カ国で調査 マグロやエビからも

 レジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみが海を汚し、生態系に影響を与える被害が
世界規模で問題視されるなか、オーストリアの研究チームは、日本やロシア、オーストリアなど
8カ国の参加者で調べたところ、全員の便から微小なプラスチックが検出されたと発表した。

 これはウィーンで今月20日から24日にかけて開催された「欧州消化器病週間(UEG Week)」の
席上で、ウィーン大学医学部のフィリップ・シュワブル(Philipp Schwabl)医学博士らが発表したもの。

 チームは、日本、ロシア、オーストリア、英国、ポーランド、オランダ、イタリア、フィンランドから参加した
8人を対象に、1週間に摂取した食事を日記につけてもらったうえ、大便を提出させたところ、全員の
便から「マイクロプラスチック」と呼ばれる5ミリ以下の微細なプラスチックが検出された。

 発見されたプラスチックは全部で9種類。このうち、最も多いのは「ポリプロピレン(PP)」と
「ポリエチレンテレフタラート(PET)」で、サイズは0.05?0.5ミリ。10グラムあたりの便から平均して
20個のマイクロプラスチックが見つかったという。

 調査を行った1週間、参加者全員がプラスチックで包装された食品やペットボトルの飲み物を
摂取していたほか、6人は魚介類を食べていたという。

 シュワルブ博士は「動物実験では既に腸内からたくさんのプラスチック粒子が検出されている。
極小の粒子が血管やリンパ腺に入り込むと、最終的には肝臓に達する可能性がある」として、
人間の健康にどんな影響を及ぼすかについては、今後さらに研究を重ねる必要性があると話している。

https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/7/27038.html