国土交通省が2017年12月までに全国5地区で実施した、移動式の「ナンバー自動読み取り装置」を使った車検切れ車両を特定する実証実験で、沖縄が無車検車両台数、台数に占める無車検率ともに全国最悪だったことが7日、分かった。

車検切れ車両は走行に危険が伴い、道路運送車両法違反に当たる。
国交省は実験の成果を踏まえ、同装置の運用を9月から全国各地で始めている。
沖縄では県警と連携し、年度内に運用を開始する。

国交省はこれまで警察と連携し、各地の街頭で無作為に車両を止めて検査をしていた。同装置はナンバーを自動で読み取り、データベースとの照合で車検切れ車両を特定できるため、違反者の特定が容易になる。
違反者のデータは警察に提供され、摘発につなげる。

国交省は16年12月から17年1月の1週間、那覇市と札幌市、広島市、松山市、福岡市の5地区で実験を実施。
那覇市首里末吉町では、捕捉した10万8570台のうち522台が車検切れだった。
無車検台数の全国総計は1083台で無車検率の全国平均は0・27%だったが、沖縄の無車検台数は522台と全体のほぼ半数を占め、無車検率も0・48%と飛び抜けて高かった。

また17年10〜12月にかけて宜野湾市と北海道札幌市、長崎県佐世保市、茨城県坂東市、兵庫県西宮市で2時間だけ(一部1時間半)実施した調査でも沖縄の無車検台数と無車検率が最も高かった。

県警交通指導課は「違反者は罰則とともに行政処分も加えられる。ハンドルやブレーキに不具合があると、万が一の際に緊急回避措置ができなくなる場合がある」と警鐘を鳴らした。

一方、自動車のナンバーを自動で読み取る装置は違反者の特定につながる半面、プライバシー保護上の問題点などが指摘される。
国交省自動車局整備課によると、装置で読み取ったデータはパソコン上に保管され、1カ月程度で自動消去される。
同課の担当者は「無車検車両の特定以外の用途については想定していない」とした。

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