酔っ払って歩道や車道で寝込む「路上寝」が、沖縄県で深刻な社会問題となっている。110番の件数は増加傾向にあり、2年連続で7000件超。警察や自治体は、警告書を発行したり、適正飲酒を呼びかける啓発活動を強化したりするなど、対策に本腰を入れ始めた。

 「路上で寝ていて危険だ」

 沖縄県うるま市の県道で6月6日未明、男性(当時63歳)が路肩寄りの車道に横たわっているとの110番が寄せられた。うるま署員が現場に向かったが、数分後、男性は車にはねられ死亡した。男性はこの直前、泥酔状態で近くのコンビニに寄り、現場の車道に座り込んでいたことが、防犯カメラの映像などから判明した。

 沖縄県警によると、路上寝に関する110番は、2008年は5245件だったが、13年には6577件に増加。16年は7159件と過去最悪を更新し、17年は7016件だった。今年も8月末までで4575件に上り、交通事故での死者が2人出た。
 財布を抜き取られるなどの窃盗被害も多く、女性の場合は性犯罪に巻き込まれるケースもあるという。警察庁によると、路上寝の通報に関する全国統計はなく、「沖縄県警独自のものではないか」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181107-OYT1T50114.html