いきなりステーキ社長 ペッパーランチ事件から一転、成功収めた「賭け」

2013年に銀座に1号店を出店し、わずか5年で187店舗に拡大したステーキ店「いきなり!ステーキ」。

 「いきなり!」と言うが、肉が出てくる前に旨そうな匂いでやられる。肉は注文カウンターで、
「リブロースステーキ」1グラム当たり6.9円、「本格熟成国産牛サーロインステーキ」1グラム10円など、量り売りで注文する

「ペッパーランチ」の創業

 そんな一瀬氏が起業家として名を馳(は)せたのが「ペッパーランチ」の創業だった。お客さんの皿に盛れる「価値」は、原価が掛かることばかりではない。
ペッパーランチの売りはカンカンに熱した鉄板に、ライスと肉とソースをのせると、ジューッとえも言われぬ音と香りが立ちのぼる点だ。店はガス代が掛かる程度だが、お客さんにとってはたまらない。店は流行った。

 だが、落とし穴が口を開けて待っていた。東証マザーズ上場後、大阪のペッパーランチで当時の業務委託者が刑事事件を起こしたのだ。

 もちろん一瀬氏にとっては青天の霹靂(へきれき)だった。だが、彼は腹をくくった。自分が悪かった、と全責任を取ると決めたのだ。ならば世間を騒がせたことを謝罪しなければいけない。彼は記者会見を断行した。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/180107/bsd1801071310001-n1.htm