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県産米を楽しく手にとってもらおうと、東北芸術工科大学(山形市)デザイン工学部の学生が「やまのおこめガチャ」を製作した。
100円玉を4枚入れると、新米の無洗米が2合入ったパックが転がり出てくる。15日、芸工大でお披露目した製作者らは「若い人がお米のおいしさを改めて知るきっかけになってほしい」と話した。
【写真】製作した「やまのおこめガチャ」を前に、中から出てくるパックを手にする加藤さん(左)と須藤さん=2018年10月15日午前、山形市の東北芸術工科大学
お金を入れ、中央にあるレバーを回すと、「つや姫」のパックがころんと取り出し口に落ちてきた。ランダムに出てくるパックは、県産の「つや姫」「はえぬき」「こしひかり」の3種類だ。
発案者はグラフィックデザイン学科の加藤結香さん(21)。昨年、授業で「山形の秋の魅力を伝える」という課題に取り組み、「米を自宅で炊いて食べる若者が少ない」ことに気づいた。
「お米は重くて、買うのが大変」「使い切れない」。そんな同世代の意見をもとに、遊び感覚でさまざまな米を試せる「ガチャ」を思いついた。
今年1月に学内で発表した後、友人で企画構想学科の須藤清貴さん(21)、須藤さんの友人でプロダクトデザイン学科の松本大知さん(20)と協力。インターネットオークションで中古の機械を手に入れた。
ガチャガチャは通常、丸いカプセルを使うが、今回のパックは立方体で1辺が約10センチと大きい。うまく転がり出るよう、パックの大きさに合わせて部品を3Dプリンターで作り直したり削ったり。
「うまく出るようになるまで、何百回もレバーを回しました」と加藤さん。テスト用のパックはぼろぼろになったという。
3種類のパックの米は、ジェイエイてんどうフーズ(天童市)から仕入れた。実家が天童市内で米農家をしているという須藤さんが企画書を持ち込んだ。
芸工大で今月上旬にあった学園祭で試験的に置いたところ、「かわいい」「おもしろい」と好評で、用意したパック24個が1時間ほどで完売したという。
おこめガチャは11月3日まで芸工大の学生会館に、同5〜17日は山形大学小白川キャンパスの大学生協コンビニに置く予定だ。
現在、完成しているのはこの一つだが、すでに県内の複数の道の駅から引き合いが来ており、機械や商品管理の方法などを改良し、台数を増やして広げていく考え。機械の購入や加工費用をクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/96543)で募っている。(青山絵美)