インターネット上で、沖縄発の動画が全国的に注目を集めている。県内各地の青い海を背に、赤いふんどし姿の男性が時事問題などについて早口で鋭くつっこみ、最後は関西弁で「そうだろう」の意味の「せやろがい」という言葉で締める。
県知事選後には「『沖縄終わった』と言ってる人に一言」と題した動画をアップ、対話を呼び掛けて話題になっている。
「せやろがいおじさん」の正体は、奈良県出身でお笑い芸人の榎森耕助さん(31)。
沖縄国際大在学中から、お笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ役として活動し、今年7月から動画を撮り始めた。
「披露宴で新婦の両親への手紙の時に騒ぐ人に一言」といった日常的なものから東京五輪のボランティア問題まで、取り上げたジャンルは幅広い。
動画配信サイト「ユーチューブ」での総再生回数は100万回を超えた。
県知事選の翌日にも動画をアップし、「簡単に終わらせたらあかん」「新しい沖縄始めていこう」と呼び掛け、拡散された。
投開票日の夜、当確が出た後、ネット上で「沖縄は終わった」などネガティブな意見を目にし、抵抗を感じた。
県知事選について「芸人が発言していいのか」と葛藤もあったが、翌朝にはカメラを回していた。
「どの候補も沖縄を良くしたいという思いは一緒。落選した候補を応援していた人だからこそ見えるツッコミどころもあると思う。今こそ対話が必要」
これまでに公開した動画は18本。「おじさんが室内で物申す動画では誰も見ない」と、景色のいい海で撮影し、自ら編集する。
ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)でも、目に留めてもらえるよう画面上の文字を大きく表示するなどこだわった。
1日に200回撮り直したこともあり、榎森さんは「日光に当たる、水に入る、大声を出す−の疲れる3条件に挑戦する『せやろがいトライアスロン』をしている」と笑う。
沖縄でも、冬の海は寒い。「ガタガタ震えながらやるのも面白いかな。唇を青くしてでもやりたいです」と意気込んだ。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/329263
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