想定外の感動で大人がハマった!『若おかみは小学生!』異例の興行
10/12(金) 18:34配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181012-00010004-friday-ent


『若おかみは小学生!』。9月21日から公開が始まったアニメ映画が、通常の映画ファンや大人の観客たちも巻き込んだ異例の興行展開をしている。ぱっと見、いかにも子ども向け(子どもだましという意味ではなく)とも思える作品に何が起こっているのか?

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『誰がこれからのアニメをつくるのか?』(星海社新書)などの著書があるアニメジャーナリストの数土直志氏は『若おかみは小学生!』との出会いをこう語る。

【特別公開ページはこちら】『若おかみ〜』劇中画像・キャラ相関図など満載!

「『若おかみ〜』を最初に観たのはフランスの『アヌシー国際アニメーション映画祭』でした。100本以上の作品が出品されて、そこから十数本がコンペティション作品として絞られる。『若おかみ〜』もそうしてコンペ作品に選ばれたのです。

最初は日本の作品なので、わざわざ現地で観ようとは思っていなかった。ところが、何回か上映があるなかで、先に観た人たちの反応が外国人も含めてめちゃくちゃ良くて、絶対に観るべきだといわれ観たのです。
観客はアニメ・映画会社などの大人とアニメ専門学校の学生たちがメインです。上映後の反応はとても素晴らしく、映画祭での“お付き合い“とは違う拍手喝采でした。

監督の高坂希太郎さんはスタジオジブリの『千と千尋の神隠し』や『風立ちぬ』などで作画監督(共同含む)を務めて来た。ジブリは高畑勲監督と宮崎駿監督の二大巨頭の下にスタッフが尽くすスタイルでした。
そこから出て自ら久々に監督をするときに、どういう作品を選ぶのか。高坂さんの監督作品としては『茄子 アンダルシアの夏』(03年)、『茄子 スーツケースの渡り鳥』(07年)以来ということで、ジブリっぽく行くのかと思ったら、題材が(一見、地味な)児童文学だったので驚きました。

実際に観たら、原作が児童文学、キャラクターの等身が低くて子ども向けなことから事前に思っていたこととは違いました。丁寧でストレート、ぐっと心をつかむ。やはり高坂さんのならでは作品で幅が広くぶれていない。
〔全年齢対象の心を動かす物語〕だったんです。高坂監督の演出として安直な感動とか泣かせを狙った映画ではない。けれども、観るとじわじわと泣いてしまいます」