https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181009-00000079-mai-soci

岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりの豚コレラウイルスが検出された問題で、
岐阜県は10日午前0時、養豚場から半径3キロ圏内に設定していた豚や豚肉の場外運搬を禁じる「移動制限区域」を解除する。
感染確定から1カ月が経過したが、野生イノシシの感染は止まらず、県による実質的な「終息宣言」は依然として難しい状況だ。

 養豚場での感染は9月9日に確定。県は国の指針に基づき、殺処分や埋設など防疫措置を56時間で完了させた。同29日に半径10キロ圏内の「搬出制限区域」を解除。
その後も養豚場に異常は見られず、今回の「移動制限区域」の解除と、残る消毒ポイント1カ所の閉鎖を決めた。

ただ、古田肇知事が「反省すべき課題があった」と認めるように県の初動対応は遅れた。
県は8月下旬の段階で養豚場の異変に気付きながらも「熱中症」と判断。豚コレラを視野に入れた感染症の検査を実施せず、把握が遅れた。

 発生源を特定するための国の検討会は「遅くとも8月上旬には発生養豚場にウイルスが侵入していたと考えられる」との認識で、野生イノシシよりも「豚の感染が先」との見方を示す。
また、ウイルスは海外から侵入した可能性が高いとするものの、感染ルートの特定には至っていない。

 一方、野生イノシシの感染は9日現在で19頭に上る。
9月14日に1頭目の感染が確認されて以降、歯止めが掛からない状況だ。
いずれも養豚場から10キロ圏内で死んでいるのが見つかったり、調査捕獲したりした野生イノシシで、県は侵入防止のため養豚場に電気柵を貸し出すなどしている。【岡正勝】