【ベルリン=近藤晶】DPA通信などによると、ドイツ政府は十八日、極右やイスラム過激派などの
反憲法活動を監視する国内情報機関、連邦憲法擁護庁のマーセン長官を解任すると
明らかにした。マーセン氏は、極右による外国人襲撃の事実を疑問視する発言をしたほか、
右派政党に便宜を図っていた疑いも浮上し、辞任を求める声が強まっていた。マーセン氏は
七日付の大衆紙ビルトで、八月末に東部ケムニッツで起きたドイツ人刺殺事件後に極右が
外国人を襲撃した映像について「本物という確かな証拠は見つからなかった」と述べ、
野党やメディアから批判を浴びていた。

 十三日には公共放送ARDが、マーセン氏が反難民・移民を主張する右派政党「ドイツのための
選択肢」に、イスラム過激派などに関する公表前の情報を漏らしていたと報道。与野党から
政治的中立性や資質を問う声が相次いでいた。

 メルケル首相は十三日、連立を組むキリスト教社会同盟のゼーホーファー党首、
社会民主党のナーレス党首と緊急に会談。与党三党首は十八日にもマーセン氏の処遇について
再び協議し、解任は避けられないと判断したとみられる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201809/CK2018091902000286.html