鳥の研究者でつくる日本鳥学会の公開シンポジウムが新潟市で開かれ、自然界への放鳥が始まって10年となる、トキの野生復帰に向けた取り組みの現状が報告されました。
新潟市中央区で開かれたシンポジウムには、野鳥の研究者など全国から270人ほどが参加しました。
この中で、トキの保護活動に取り組んでいる、環境省佐渡自然保護官事務所の岡久雄二さんが講演しました。
岡久さんは、トキのえさ場の佐渡市内の田んぼで農薬を減らすなどの取り組みが行われた結果、平成20年に自然界へのトキの放鳥が始まって以来、野生のトキが350羽余りと
なった現状を説明し、佐渡ではトキが「保護すべき存在」から「身近な地域の象徴」になりつつあることを報告していました。
このあとのパネルディスカッションでは、トキが田んぼに入ってイネを踏みつける被害を逆手にとり、豊かな自然環境のもとで育ったコメとして継続的に商品化し、新たな価値を
生み出すなどのアイデアも紹介されていました。
参加した東京の20代の大学院生は「1つの種を守っていくのはたくさんの年数と人が必要だとわかり、勉強になりました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180917/0018603.html