北海道地震で多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされていることを受け、
専門家は「エコノミークラス症候群」を防ぐために水分補給や軽い運動など行うよう呼び掛けている。
エコノミークラス症候群は、狭い場所で長時間座るなどして足を動かさないため、血行が悪くなって血の塊ができ、肺の血管に詰まって起こる。
胸の痛みや息切れの症状が出て、死亡する場合もある。
新潟大の榛沢和彦特任教授(塞栓症治療)は、予防策として「十分に水分を取ることが重要」と強調する。
避難所では頻繁にトイレに行くのを避けようと、水分の摂取を控える人も多いが、榛沢氏は「注意が必要だ」と指摘する。
軽い運動も有効。
榛沢氏は「歩くのが一番良い」とアドバイスする。
足の指で「グー」をつくる運動や足首を動かすなど、膝から下の筋肉を動かすことを勧めている。
ふくらはぎのマッサージも予防につながるとしている。
エコノミークラス症候群のほかにも、断水や停電が健康に与える影響が懸念されている。
日本赤十字北海道看護大の根本昌宏教授(寒冷地防災学)は「使える水が少なくても、手洗いや歯磨きは控えないでほしい」と訴える。
特に歯磨きは、高齢者の震災関連死に多い誤嚥(ごえん)性肺炎の予防になる。
日本赤十字社の大西浩子救護・福祉部参事は、「停電で暗い中では、高齢者は通常よりも足元がふらつき、転ぶ危険性が高い。
常に懐中電灯を手元に置いておくなどし、気を付けて歩いてほしい」と話している。(2018/09/08-05:21)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090800165&g=keq