上司の指示で訪問した男性宅で暴行を受けたのは、会社側が安全配慮義務を欠いたためとして、
30歳代の保険外交員の女性(岡山県内在住)が24日、勤務先の住友生命保険(大阪市)を
相手取り、慰謝料など440万円の損害賠償を求めて地裁に提訴した。

 訴状によると、女性は2016年5月30日夕、保険料を受け取りに行くよう指示され、岡山市内の
男性顧客宅を訪問、室内で押し倒されるなど性的暴行を受けそうになり、右腕の打撲など
約1週間のけがを負った。その後、適応障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されて
休職。男性は強姦ごうかん致傷罪などに問われ、有罪判決を受けた。

 原告側によると、同社では、女性が被害を受けた2か月前にも別の保険外交員が顧客宅で
暴行を受けそうになった事件が発生。会社側が複数人で対応させるなどの安全対策を
とるべきだったと主張している。

 女性は提訴後に岡山市内で記者会見し、「保険外交員のほとんどは女性。少しでも安全確保の
体制整備につながれば」と訴えた。同社は「訴状が届いていないため、コメントできない」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180826-OYT1T50073.html