トランプ流のほころび?! 折れるどころかイラン制裁のカードも中国に握られる

編集局から

 強引なディール(取引)外交を展開するトランプ米大統領ですが、ここにきてほころびが目立つようになってきました。中国との貿易摩擦もその一つでしょう。

 中国製品への制裁関税をちらつかせれば、いずれ中国は折れる−。そんな思惑は見事に外れ、一歩も引かない中国とのチキンレース(度胸試しの勝負)に終わりは見えません。
一方で顕在化しつつあるのは米企業などの反発と自国経済へのマイナス影響です。

 イラン制裁の再発動についても、各国がイラン産原油の輸入を停止すれば価格の上昇圧力となるのは確実で、ガソリン価格に敏感な米国民を刺激するはずです。
しかも、イラン産原油の最大輸入国は中国。制裁が機能するかどうかのカードを中国に握られた格好となりました。
これらのほころびが広がれば、景気拡大が続く米経済にどれほどのダメージを与えるのか。注意深く見守っていきたいと思います。(編集長 島田耕)

https://www.sankei.com/smp/column/news/180811/clm1808110005-s1.html


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ガス田権益、中国に移行 イラン、仏大手からと報道

 国営イラン通信は11日、イラン南部のペルシャ湾にある世界最大規模の南パルス天然ガス田の一部開発契約で、フランス石油大手トタルの権益を中国国有の中国石油天然ガス集団(CNPC)が引き継いだと報じた。

 この契約は、イラン核合意の象徴的事業とされていた。トランプ米政権がイラン核合意から離脱し、
イランへの制裁を再発動する方針を示したのを受け、トタルは撤退する見通しを示していた。

 2017年7月に結ばれた開発契約では、トタルが50・1%、CNPCが30%の権益を取得していた。
国営イラン通信は、権益のトタルからCNPCへの移行により、CNPCの権益が最大で8割になると報じた。(共同)

https://www.sankei.com/smp/world/news/180812/wor1808120008-s1.html