「上から目線」のインテリ新聞 脱皮を模索 フランス

 パリのカフェで新聞を読む人がめっきり減った。値段を見ると納得。
高級紙ルモンドは1部2・6ユーロ(約340円)で、10年で8割値上げした。
他紙も同様だから客が減り、売店の閉鎖も相次ぐ。
開いている店も入荷不足で、目当ての新聞がないことがしばしば。
知人の記者は「新聞はいまや贅(ぜい)沢(たく)品」と笑う。

 新聞がどの国でも苦戦する中、フランスは特に厳しい。
全国紙と地方紙を合わせて発行は約600万部。
10年で3割近く減った。ルモンドも30万部がやっとだ。
破綻寸前になった各紙に近年、外部の資本家が乗り込み、
いまはサバイバル競争のさなかにある。

 新聞凋落(ちょうらく)の一因は、新聞が長大な分析や論説を「売り」にしてきたこと。
この国は英独のようにスクープやゴシップ満載(まんさい)の大衆紙がない。
ひたすらインテリを相手にしてきた。
(以下略)

https://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/180807/clm18080712040006-n1.html