トルコ通貨急落、最安値更新=大統領が買い支え呼び掛け

 【ロンドン時事】10日のロンドン外国為替市場で、トルコの通貨リラが米ドルに対して急落し、史上初めて1ドル=6リラ台を付けた。
前日からの下落率は一時約2割に達した。通貨急落による実体経済への悪影響も懸念されている。

 急激なインフレの進行に加え、米国人牧師の拘束をめぐって米国との外交関係が悪化していることが背景にある。
トランプ米大統領がトルコに対する鉄鋼・アルミニウムの追加関税引き上げを発表したことも追い打ちとなった。

 トルコのエルドアン大統領は同日、国民に向けて「皆さんがタンスの中に保有しているドルなどの外貨資産や金塊をリラに替えてほしい。これは国家的な戦いだ」と買い支えを呼び掛けた。

 リラの急落で、金融市場全体にも動揺が広がった。トルコ向け貸し出しが多い欧州の大手銀行の株価が下がっており、欧州各国の主要株価指数も下落。
トルコと経済的つながりの深い欧州の単一通貨ユーロも対ドルで売られている。(2018/08/10-23:02)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018081001281&;g=int