政府は、2019年に行われる天皇陛下の退位、皇太子さまの天皇即位に際し、国民的な慶事・弔事の際に、裁判を経ないで刑罰などを消失させたり減刑したりする「恩赦」の検討を始めた。



■被害者への心情配慮が必須 
平成に入ってからは昭和天皇のご大喪、天皇陛下ご即位、皇太子さまのご結婚の3度に渡って恩赦が行われている。

いずれも道路交通法や公職選挙法、軽犯罪法などに限定されたもの。過去には死刑囚への恩赦が行われていたケースもあるが、近年の前例が踏襲される見通しだ。

恩赦の決定は内閣が行い、天皇陛下が認めるものである以上、内容についてはさらに抑えられたものになるだろう。「被害者に説明できない」という状況にならないよう最大限の議論が交わされるはずだ。

■国家公務員への懲戒処分に対しても 
これまで何度となく行われてきた恩赦が、最後に行われたのは皇太子さまのご結婚の際の1993年。今から20年以上前にさかのぼる。

そのときに最も多く行われたのが公職選挙法違反者への公民権の復権だ。また、同時に行われたのが国家公務員への懲戒処分免除。そこで注目されるのが、森友学園問題の文書廃棄で減給処分となった元国税庁長官・佐川宣寿氏への対応だ。

メディア上で大いに話題となった森友学園問題。半ば責任をとるかたちで自ら退官した佐川氏への減給処分が恩赦で免除となれば、それこそ「国民に説明できない」とも言える。



■恩赦の検討自体に批判の声
いくら天皇の即位が国家の慶事であるといっても、刑罰や処分が軽くなること自体に批判の声は多い。ネット上の声を集めてみた。

・現代では社会の懲罰と天皇の存在は切り離さないと時代錯誤甚だしいと思う。 恩赦などと言う大昔の通例を行おうと考える発想が怖い。



・公務員恩赦って、、この国なにがしたいの?ばかなの?



・この時代に、恩赦なんていう制度は全くそぐわない。



・財務省文書改ざん問題の佐川元理財局長も対象になるよう。オウム幹部は恩赦前にまとめて死刑執行。これは、いくら何でもおかしいでしょう



■ただでさえ報酬の高い国会議員に恩赦は適切か
しらべぇ編集部が全国の20代から60代の男女1,348名に国会議員の報酬について調査を実施。



国会議員の報酬は約2,100万円といわれている。ただでさえ報酬が高いと思われている中、恩赦による処分免除の検討は適正な判断なのか。これからの動向が注目される。

https://sirabee.com/2018/08/08/20161741808/