高金利通貨の代表格の一つ、トルコリラの安値が続いています。
7月24日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合で1週間物レポ金利(主要な政策金利)を据え置いたことで、
利上げ反対を表明してきたレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に配慮した決定(中銀の独立性への懸念)だと受け止められ、
トルコリラは対円で大きく下落しました。
新興国通貨ではトルコリラはブラジルレアルと同様、日本の個人投資家の関心も高いのですが、
筆者のまわりでも、「トルコリラ投資で大損を被ってしまった!」という話をよく聞きます。
しかも何度も繰り返されている話です。

では、なぜ日本の投資家はトルコリラ投資で失敗するのでしょうか? 
これを「行動ファイナンス」の3つの視点から見ていきたいと思います。

「目に見える金利の高さ」につられてしまう?

まず、行動ファイナンスのお話を簡単にします。
行動ファイナンスとは、 ファイナンスの分野に心理学の概念を取り入れたものです。
実際のマーケットにおいては理論通りにならないことが多々ありますが、まさに理論と現実のギャップを埋めるため、
伝統的なファイナンス理論(ファンダメンタルズ分析など)への「対立概念」として登場した理論と言われています。

行動ファイナンスの理論では、市場は合理的に決まるのではなく、非効率なものだと考えます。
株価や為替はマーケット参加者の感情に左右され、合理的とは言えない投資家の意思決定などにより、
適正価格を逸脱したモメンタム(勢い)やバブルが生じると説明しています。

わかりやすくいうと、
「投資家にはなんらかのバイアス(偏見、ゆがみ)がかかってしまう可能性があり、
合理的な投資判断を行うことはなかなかむずかしいですよ」と言っているわけです。

なぜ日本人はトルコリラで大損をするのか
年利17%以上なのに儲からないのはなぜ?
https://toyokeizai.net/articles/-/231960?display=b