「世界一寂しい国際空港」の運命は 
「一帯一路」の負の遺産、スリランカがインドに支援要請
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スリランカ南部ハンバントタにあるマッタラ・ラジャパクサ国際空港。
乗客の少なさから「世界一寂しい国際空港」とも揶揄される(森浩撮影)

スリランカ南部ハンバントタで中国の支援で建設された国際空港が経営難に陥り、政府が苦慮している。
そもそも需要がほとんどない地域に建設されており、1日の平均乗客は10人以下で定期便もゼロだ。
中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出した負の遺産ともいえ、
スリランカ政府はインドに支援を求める方針を決めた。

経営難となっているのは、ハンバントタにあるマッタラ・ラジャパクサ国際空港。
建設を推進した親中派ラジャパクサ前大統領の名を冠し、2013年に完成した。
建設費は2億1千万ドル(約234億円)。9割が中国からの融資で賄われたとされ、
工事も中国企業が請け負っている。

だが、国際空港を名乗ってはいるものの、付近には漁村と小規模のビーチリゾートがあるだけで、
当初から建設はラジャパクサ氏の地元への利益誘導とささやかれた。
今年5月には唯一の定期便だったアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイとの直行便が閉鎖。
一時は空港施設が穀物の貯蔵庫ともなり、「世界一寂しい国際空港」という不名誉なあだ名が付いている。