■人生にかかわる長期拘留

 集会主催者「3・25南千住警察職質強要弾圧救援会」の報告によれば、Aさんは黙秘を 続けたが、
拘留中に取調べはほとんど行なわれなかったという。私物はすべて弁護士 側が確保、家宅捜査もなかった。署前の激励行動では、トラメガの音声を聞いた隣房 から賛同の声すらあがった。それほどまでにでたらめな逮捕だった。

 発言に立った弁護士の吉田哲也さんは「職質はあくまで任意。身体に触れることや所 持品検査は許されない。
録画や録音も有効だが特効薬はない。一から粘り強く抗議を するしかない」と助言した。

 山本志津弁護士は渋谷でデモ隊の監視をしていた時、なんと自らが「転び公妨」で検 挙の対象になった。
公安警官を間近で撮影していると、突然その一人が視界から消え た。メディアの記者が「この人は弁護士だ」と指摘すると、転んで消えた警官は「紛 らわしいことするんじぇねぇよ」と吐き捨てた。

 「被疑事実がほとんどないにもかかわらず、裁判官は安易に拘留を認め延長まです る。一般市民が20日間も拘束されれば、
仕事もできず家族にも負担がかかる。つまり その人の人生そのものにかかわる重大な出来事になる。そんな警察・裁判所を許して はいけない」と語気を強めた。

 休憩をはさんで第二部が始まった。森本孝子さん(平和憲法を守る荒川の会)は、活 動する地元で起きた今回の事件への支援を呼びかけていた。
「いま急速に警察国家化 が進んでいる。関西空港では北朝鮮からの帰国者のお土産が『制裁の一環』として没 収された。
アメリカに阿ながら福祉を切り捨てていく安倍政権を許さない」と語っ た。

 NPO法人コリアNGOセンターの金朋央さんは、街を歩けば毎日のように見かける 外国人に対する職質について報告。
言葉や文化の違いに戸惑う彼ら彼女らの弱みにつ け込む、執拗さ、悪質さが目立つという。
ある現場を見かねた金さんが身分を明かし 仲裁に入ると、警察官はコロリと態度を変えた。解決後当該は、助けた金さんに対し ても警戒を解かなかったというから問題は複雑だ。

 「大久保人権人民パトロール準備会」のBさんは、「警察じたいがレイシスト集団」 と断罪。大久保での職質は無差別でひどく、労組など地元の仲間とつながりつつ、肉 体的にも鍛錬を重ねていきたいと決意を述べた。



http://www.labornetjp.org/news/2018/0707y