社会的弱者や生きづらさを抱える人たちの思いをすくい上げるのが政治家の務めではないか。

 ところが、自民党の衆院議員が、月刊誌で性的少数者(LGBT)への行政支援に対して、当事者を深く傷つける、偏見に満ちた主張を展開し、波紋が広がっている。

 「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」―。

 比例中国ブロックの杉田水脈氏が、月刊誌「新潮45」に「『LGBT』支援の度が過ぎる」とのタイトルで、こうつづった。

 当事者や野党議員だけではなく、多くの人たちがネット上や抗議行動などで怒りの声を上げている。

 子どもをつくるかどうかは、それぞれの生き方の問題である。杉田氏の主張は、LGBTの差別解消や法整備が進む国内外の流れにも明らかに逆行するもので、非難が高まるのは当然だ。

 自民党は、2016年に「性的指向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を公表しており、この方針にも反するものだ。

 しかし、二階俊博幹事長は「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と問題視しない姿勢を見せており、首をかしげざるを得ない。

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http://www.topics.or.jp/articles/-/81012