そのロシアの喫煙環境だが、屋内は原則禁煙。ただし、長距離交通に設置が認められた喫煙所は例外で、職場も換気設備を有する喫煙室があれば喫煙できる。一方屋外は、教育、
文化、スポーツ、医療、リゾート施設などの完全禁煙特定施設や、駅や空港などの公共交通機関の入り口から15メートル以内、子供が遊ぶ公園、ビーチなどの例外を除くと、
ほとんどの場所が喫煙可。飲食店も、屋内は禁煙でもテラス席では特定施設以外は喫煙可能だ。
 近年増えている電子たばこ・加熱式たばこについては、多くの欧米諸国同様、屋内外とも規制は無し。航空機と200キロを超える長距離列車での使用を禁止している程度だ。
今大会で喫煙に関する大きなトラブルの声が聞こえてこなかったのも、こうした状況に一つの要因があるのかもしれない。
 これに比べ、屋内はもとより屋外も禁煙の場所が多く(全国238の自治体で路上喫煙規制の条例あり=人口カバー率50%以上)、しかも国や東京都、各自治体によって
規制内容が異なるのが日本。来年のラグビーW杯やその先の東京五輪をスムーズに終えるのは、至難の業といえる。
「喫煙可」明示を喫煙者は「喫煙可」の掲示を探して吸えばいいといえばそれまでだが、単に標識の掲示を義務化するだけでなく、その場所がどこにあるのかをきちんと
示すことも、インバウンド対応の重要なポイント。また、多くの国が規制対象としていない加熱式たばこに解決の道を探ってみることも、今後必要になってくるのではないだろうか。 (この項おわり)

http://www.sanspo.com/geino/news/20180727/sot18072705010002-n1.html