ホットハッチ頂上対決 ルノー・メガーヌRS 280カップ vs ホンダ・シビック・タイプR
文・マット・ソーンダース 

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初代の登場から15年が経過し、これが3代目となるメガーヌRSだが、その卓越したハンドリングに対する評価は、ホットハッチ界における羨望の的だった。

では、メガーヌは、現在ホットハッチ界の頂点に君臨するホンダ・シビック・タイプRを、その座から追い落すに十分なモデルだろうか? 
ルノーからホンダに乗り換えると、シビック・タイプRの完ぺきな仕上がりを前に、メガーヌのハンドリングに対する確信が徐々に薄らいでいく。

基本的な部分からシビックはメガーヌを凌いでいる。シートはメガーヌよりもしっかりと背中を支え、ポジション自体も適切で、計器類も見やすい。
ほんの数m運転しただけで、ホンダがその熟練の技をこのクルマに注ぎ込んでいることが分かる。ラウンド形状のアルミニウム製シフトノブの感触は、
メガーヌよりも優れており、ルノーのややダイレクトさとスムースさに欠けるシフトに比べて、その動きは滑らか、かつ正確でもある。
ペダルの重みもホンダの方が適切で、ブレーキもコントロール性に優れる。

メガーヌのステアリングが軽すぎて、そのままではフロントアクスルが路面を捉えた感覚がやや掴みづらいような場面でも、
シビックでは、その適切な重みと感触のステアリングが、ドライバーに自信を与えてくれる。
タイプRを運転するたびに、これはいま実際に購入することのできるクルマのなかで、
最高のドライバーズカーと呼ぶに相応しいモデルだと、さらに確信を深めることになるのだ。
ホンダの2.0VTECターボエンジンは、ルノーのターボラグが目立つ1.8に比べ、より力強く感じるだけでなく、レスポンスにも優れ、回転上昇も滑らかだ。

これは神々たちによる戦いになるかと思われた。帰って来たホットハッチ界の雄が、不動の王者に挑んだのだ。
しかし、全能の神、タイプRの時代はまだしばらく続くことになるだろう。

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