トランス脂肪酸は脂質に含まれる不飽和脂肪酸の一種だ。マーガリンの製造工程で水素を添加するときに副生成物として生成される。
食品添加物だと勘違いしているケースも見られるが、トランス脂肪酸という油が売り買いされているわけではない。

 マーガリンのほか、ショートニングにも含まれ、それらを使った菓子類やパン類、揚げ物など数多くの加工食品に使われている。

人がトランス脂肪酸を摂取したときの体内の動きについて、化学物質の代謝などに詳しい内閣府・食品安全委員会の山添康・前委員(東北大学名誉教授)は「体内で蓄積することはなく、
それ自体が危険な物質というわけではない」と説明する。
http://mainichi.jp/articles/20180712/ddm/013/100/010000c

 だが、過剰に摂取すれば悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減らすことが報告されており、動脈硬化のリスクを高める。
このため、世界保健機関(WHO)は動脈硬化のリスク防止策として、トランス脂肪酸の摂取量を1日総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告している。1日あたりおよそ2グラムが目安だ。