3年前、「舌(ぜつ)」と呼ばれる銅鐸を鳴らすための棒とともに兵庫県の淡路島で見つかった「松帆銅鐸」について、地元の教育委員会の調
査で原材料に朝鮮半島産の鉛が使われていたことなどがわかり、弥生時代の銅鐸の製作工程を解明する手がかりになると期待されています。

「松帆銅鐸」は、平成27年に南あわじ市の砂置き場で見つかったあわせて7点の銅鐸で、内部から「舌」と呼ばれる銅鐸を鳴らすための棒や
、「舌」をつるすためとみられるひもが見つかるなどして、注目を集めました。
南あわじ市教育委員会が専門機関に依頼して、銅鐸と「舌」に使われた青銅の成分を分析したところ、「松帆銅鐸」には錫(すず)や鉛が比較
的多く含まれ、紀元前4世紀から紀元前3世紀にかけての弥生時代中期の前半に作られた銅鐸と比率が近いことがわかりました。
また、▼鉛は朝鮮半島産であることや、▼見つかったうちの2つの「舌」が同じ型を使って作られたこともわかりました。
教育委員会によりますと、紀元前3世紀の終わり以降に作られた銅鐸では中国・華北産の鉛が使われていることが多いということです。
こうしたことから、銅鐸研究が専門で奈良文化財研究所の難波洋三客員研究員は、「今回の調査結果は、銅鐸が製作された時期や工程のほか、
当時、金属をどのように調達していたかを解明する手がかりになる」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20180627/2020000418.html