韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領はロシア議会で演説し、南北と米朝の首脳会談が開かれたことによって
「朝鮮半島では歴史的な大転換が起きている」と述べ、恒久的な平和体制が構築されれば、シベリア鉄道が
北朝鮮を経て韓国南部までつながるなど、南北とロシアの経済協力が深まることに期待を示しました。

ロシアを訪問している韓国のムン・ジェイン大統領は、21日、モスクワで、韓国の大統領として初めてロシア議会
下院で演説しました。

この中で、ムン大統領は、「いま朝鮮半島では歴史的な大転換が起きている」と述べ、ことし4月の南北首脳会談、
そして今月の米朝首脳会談で北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が「完全な非核化」を約束した
ことを強調しました。

そして、非核化が進み、朝鮮戦争の休戦協定に代わる恒久的な平和体制が構築されれば、南北の経済協力が本格化し、
それにロシアも加わることができると訴えました。

具体的にはロシアのシベリア鉄道が、北朝鮮を経てムン大統領の故郷である韓国南部のプサン(釜山)までつながることに
期待を示しました。

南北にロシアを加えた経済協力が進むには、北朝鮮が非核化を進めて国連安全保障理事会の制裁が緩和される必要が
ありますが、ムン大統領としては、経済協力の構想を積極的に語ることで、北朝鮮に非核化のメリットを強調する
狙いがあるものとみられます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180622/k10011490451000.html