知事選対応で論戦 与党エール、野党はけん制 6月県議会
2018年6月20日 06:00


 「本会議に出席したからには野党として厳しく対応する」。代表質問の先陣を切った島袋大県議(沖縄・自民)が翁長知事に迫った。
今定例会は翁長知事の3年半の県政運営の総括や知事選出馬をはじめ、最大の公約である辺野古新基地建設阻止を巡って、
沖縄防衛局が8月17日にも海域に土砂を投入すると県に通知したことで埋め立て承認「撤回」の判断が焦点となるなど、1期目の集大成ともいえる論戦に注目が集まっている。

 ただ、翁長知事は退院して以降、登庁を週1回程度に控え、抗がん治療を続けている。当初は難しいとの見方もされていた6月定例会への出席に当たり、
体調による途中離席や本会議欠席、治療に伴う帽子の着用を議会に求めた。議場で島袋氏が「治療中の知事にこれまで通り議論を迫ることで、
県民に批判を受けるかもしれない。(出席に)条件を付けなければならないなら、療養に専念した方が議会への配慮ではないか」とただしたのに対し、
翁長知事は「議会において県政運営について説明を行うことは、知事の重要な務めだ」と応じた。

 一方で、事前に通告された質問には答弁書を読み上げたものの、再質問への答弁を慌ただしく調整する執行部を尻目に、知事自身はこの日、再答弁に立つことはなかった。
代表質問終了後、野党県議の一人は「答弁する回数も少ない。知事はやはり治療に専念すべきだ」と強調した。

 野党とは打って変わって与党を代表して大城一馬県議(社民・社大・結)は「術後の回復も順調で、県政運営において気力も充実していると思う。
知事選への出馬の決意をうかがう」と立候補表明を促した。しかし、翁長知事は自民への答弁と同様、明言を避けた。
それでも大城氏は「辺野古の埋め立て承認を撤回すると明言した。辺野古の新基地建設阻止にみじんの揺るぎもないと明確にした」と手応えを感じた様子だった。 (与那嶺松一郎、吉田健一)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-742119.html

島袋大氏(沖縄・自民)の質問に答弁する翁長雄志知事=19日午前、那覇市の県議会
https://030b46df30379e0bf930783bea7c8649.cdnext.stream.ne.jp/archives/002/201806/7553d5fa45bf0606d55a3ae33977bef3.jpg