カシオ計算機を創業した4兄弟の三男で会長兼最高経営責任者(CEO)の樫尾和雄(かしお・かずお)氏が
18日午後11時35分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため東京都内の病院で死去した。
89歳だった。東京都出身。

1988年12月から2015年6月まで四半世紀以上にわたり社長を務めた。
49年日大高等師範部(現文理学部)英語科卒。57年に長兄の忠雄氏(故人)、
次兄の俊雄氏(同)、弟の幸雄氏(現特別顧問)とともにカシオ計算機を設立した。
現在の樫尾和宏社長は和雄氏の長男。 

創業当時から営業一筋で、その経験から商品開発を最も重視した。
72年に発売した世界初の一般消費者向け電卓「カシオミニ」の企画を手掛け、
それまで会社の事務機器だった計算機が一般家庭に普及するきっかけとなった。
樹脂製の腕時計にもいち早く目を付け、米国や日本で爆発的な人気となった腕時計
「G−SHOCK」の開発につながった。

「商品開発こそメーカーの経営。商品が分からない人間にはカシオのトップは務まらない」が口癖で、
社長に就任してからも重要な製品開発は自ら指揮。95年にはデジタルカメラ普及に道を開いた
「QV−10」を発売するなど、新しい市場開拓や独自の商品コンセプトを打ち出すことにこだわり続け、
同社を精密機器のトップブランドメーカーに育てた。(2018/06/19-17:26)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061900809&;g=obt
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