米航空宇宙局(NASA)は13日、火星で大規模な砂嵐が発生し、表面で観測を続けて15年目になる探査車オポチュニティーが、音信不通になっていると発表した。
砂嵐により太陽光が遮られ、太陽電池が発電できなくなり、休止モードに入った。そのまま運用停止になるおそれもあるという。

 NASAによると、砂嵐は5月30日に確認され、その後急速に発達。
表面の4分の1を覆うまでになり、火星で観測されたものとしては最大規模だという。
上空が砂ぼこりに覆われ地表に太陽光が届かなくなっている。

 オポチュニティーは内部の時計以外すべての機能を停止し、10日を最後に交信できない状況。
担当者は「緊急事態」を宣言した。運用停止の恐れの一方、砂嵐が過ぎて太陽光が十分に当たれば復活する可能性もあるとしている。

 火星表面で観測を続ける探査車は2機。2004年に着陸したオポチュニティーは元々90日の設計寿命を大幅に超えて観測を続けていた。
運用停止の危機に、NASA火星探査プログラムの責任者は「15年も稼働した探査車だということを忘れてはいけない」と話した。

 12年から観測中の探査車キュリオシティには砂嵐の影響はないという。(ワシントン=香取啓介)
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