史上初めて行われた12日の米朝首脳会談。共同声明で朝鮮半島の非核化を確約するとともに、トランプ米大統領が拉致問題も「提起」し、新たな一歩を踏み出した。

 在日コリアンが数多く通うインターナショナルスクール「コリア国際学園」(大阪府茨木市)では、全校生徒約90人が特別授業として教室などでテレビ中継を見守った。

 高等部2年の廬愛奈(ロ・エナ)さん(16)は「ピリピリムードの中で双方が笑顔で握手してくれたことだけでうれしい」と喜んだ。
朝鮮戦争の頃に曽祖父らが来日。南北の分断で多くの家族がバラバラになった歴史を聞かされて育った
。「南北が自由に交流、往来できない状態が続くのはつらい。今日の会談が南北統一の第一歩となってほしい」と願った。

 東京・大久保のコリアンタウン。韓国料理店を1人で切り盛りする全羅南道出身の60代女性は「平和への大きな一歩。
(同郷の)金大中元大統領が始めた南北の関係改善が今につながっている」と声を弾ませ、「過去を乗り越えて同じ民族である南北が統一してほしい」
と期待を込めた。買い物に来ていた自営業の男性(57)は「テレビで握手のシーンを見て感動した。金正恩氏の若さがあったからこそできた決断だったのだろう」と話した。

 朝鮮大学校の卒業生で弁護士の金英功(ヨンゴン)さん(30)はさいたま市の事務所で「平昌五輪以降、事態が一気に動いた印象。米朝の信頼関係ができれば、
日朝間の問題も改善に向かうのではないかと期待している。朝鮮戦争終結や国交正常化に向け、対話を続けてほしい」と話した。【岡崎英遠、成田有佳、奥山はるな】https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180612-00000121-mai-int